若い才能

毎月500人の子供が野球を辞めている現実を受けて。

もちろん一指導者として、一野球人として、アカデミーを運営する者としてなんとかしたいという気持ちも強く持っています。

しかし、現実はかなり厳しい。一旦は衰退していくだろうと予想します。

冒頭の部分で前述しました(数日前のブログになります。)世の中が転換期であり、多様化している。やっと、この話題に帰ってこれましたw

まだまだ世界的に見れば多様性がない国とされている日本ですが、それでも多様化は日々進んでいます。今後もどんどん進んでいくことは間違いないでしょう。野球とサッカーの比較は野球とサッカーだけに限らず、あらゆる所で変わらなければならないと言われている日本社会の縮図のように感じます。

「年功序列」「非合理的な硬直性」「過去が基準の考え方」

この3つのテーマに沿って考えていきたいと思います。

「年功序列」

サッカー選手、久保建英くんをご存知ですか?

10歳でスペインの名門バルセロナの下部組織に入団し、スペインにおける18才未満の就労資格の問題から中学2年時に日本に帰国。中学3年時には飛び級でU18に参加し、大会で得点王に輝いています。

野球で例えると中3の球児が飛び級で甲子園に出場し、大会最多ホームランを打つようなものです。

あり得ないですよね。でも、これはシステム的に不可能にしているから可能性が生まれないだけだと考えます。

中3が高校生の全国レベルのボールは打てないだろうという話ではないんです。

打てるかもしれないし、より若い段階からそのレベルに達している方が選手にも野球全体のレベル的にもプラスなのは確実です。

ただシステム的に不可能なだけなんです。

野球界のみならず、年功序列式社会組織内で埋もれている才能は多くあるのではないでしょうか。

野球の場合、若くからアメリカMLBに球団が行かせてくれません。

大体の場合が全盛期を過ぎた頃にアメリカに挑戦したいと申し出て、挑戦する形です。

NPB(日本プロ野球機構)からのドラフトを拒否してMLB入団を選んだ田沢投手という例があります。それを受けNPBが取った行動は今後NPBのドラフトを拒否し海外球団と契約した者は海外球団を退団後、一定期間NPB球団と契約することができないルールを作りました。このルールは問題視され、結局2020年に撤廃されましたが、すごく閉鎖的な考え方だと言えるでしょう。

実力ある選手がMLBに早くから渡って行くことによって、チームのレベルの低下や選手による宣伝効果が減ることを球団側は懸念します。

しかし、現状は戦力外通告を受ける者。NPB入団が叶わなかった者。独立リーグの低賃金から夢を諦め安定を求める者。など、才能が狭き門の前で溢れています。もし才能のある選手が海外に渡ったとしても、必ず次々とまた才能は出てきます。学生野球を見たらわかります。3年生が卒業してもまた才能が生まれてきます。もっと多くのプレイヤーにチャンスが回り、下からどんどん才能が突き上げてくるシステムを構築し、循環させるべきだと考えています。そこを上手くヨーロッパのスタイルに習い取り入れられているのが、現代サッカーの育成システムではないかと思います。

上記は実力、努力がある前提での内容です。闇雲に若い年代にチャンスをと言ってる訳ではないことご理解ください。

年だけ重ねて偉そうにしている人は論外です。

そうならないように僕も精進していきたいと思います。

この記事を書いた人

【代表】船田拓哉