選択肢

前回の非合理的な硬直性と、それを加速させる過去基準に関しては、今後、柔軟に対応できるのではないかと考えている理由についてです。

現代の子供達は、簡単に情報を得ることができます。世界の広さに気付きやすいです。概観効果のようなものを、味わう方法が手軽です。外の世界を知ることへのハードルがぐんと下がっています。なので、これは合理的ではない。昔はよかったけれど、現在では、その手段は当てはまらないなど、客観的に物事を判断することができます。そして、今後はより現実体験に近いものが簡単に経験できるようになります。より加速して、今後は様々な情報が入ってくるようになるでしょう。もしかすると、客観的に見た結果、野球をやるという選択を取らなくなり、現在の競技人口の半減に繋がっているのかもしれません。

たしかに、客観的に見ると”狭すぎる門”に挑戦するリスクが、非常に高いといえます。しかも、もし挑戦に失敗した後に残る武器があまり現代に役立つ物とは思えません。ひとつの武器を取得するのに時間をかけ過ぎて、他に何も武器を持っていない。という野球人が多いのも現実です。戦力外通告を受けた野球選手にフォーカスした番組があります。戦力外通告を受けた選手のセカンドキャリア問題も考える必要があります。学生時代に死ぬほどの思いで、野球に全てを捧げて、社会に放り出された時に、持っている武器が、人に従うこと。体力。根性。仲間意識。こういった野球人を僕も多く見てきました。

 人は誰しも何かしら突出した才能を持って生まれると言います。遺伝学的にもこのことは、近年の研究で明らかになってきています。その才能と目指す物が合致した人はラッキーです。しかし、誰もなんの才能を持っているのか、わからずに生まれてきます。(今後は生まれた段階でDNA検査を行い、才能を診断するということが、実現するかもしれません。)その中で、様々な経験をし、才能を見つけ出し、生かすことができるのが理想だと考えています。1つのことに絞って、それに多くの時間を費やすのは、非合理的な才能の見つけ方だと思います。複数の才能が開花することだってあり得ます。才能だけでなく、本当に大好きなものを見つけることも大事です。

実際に、アメリカではMLB(メジャーリーグベースボール)でも、NBA(ナショナルバスケットボールアソシエーション)でもプレイした選手がいます。バスケの神様、マイケル・ジョーダンもホワイトソックスの傘下で野球をしていたことがあります。MLB,NBA両方からドラフトがかかる選手もいます。NFL(ナショナルフットボールリーグ)とMLB 。MLB,NFL両方でドラフト1指名を受けた選手もいます。複数スポーツでオールスターに選ばれたなど、複数スポーツで優勝を経験など様々です。

アメリカの学生は、秋にアメフトをやっている生徒は、冬にバスケをし、春には野球をすることができます。それだけではなく、複数の運動部に参加しながら、オーケストラや吹奏楽などの音楽や、演劇、といった活動と掛け持ちしている生徒もいます。

才能や本当に大好きなものを見つけやすそうな環境です。

心と体、頭脳の発達が著しく、今後の人間形成の土台となる、小学6年間に週に2日しかない休みを、野球だけに費やしてしまうのは、非常に勿体ないと考えています。チームでは、休むと試合に使ってもらえなくなるなど、いろいろと問題があるのは理解しています。もしも平日の野球(ハスキー)を減らして他のことに挑戦します。という方が出てきても子供のための、いい選択として僕は応援します。

チーム内の世界では勝つことが重要になり、組織で動いているので、外れた行動をすることは子供だけでなく親御さんたちも居心地が悪くなるでしょう。

実際、ハスキーに通っていることを、チームでは内緒にしている方が多いのが現実です。

子供にもっと選択肢と経験をというのは以前より考えていたことではありますが、考えているだけでは何も変わらないので。

現在、ハスキーで多種多様な選択、経験ができるシステムを準備しています。

近く発表できればと思います。(もうすぐだと思います。)

いつも僕の長い乱文を読んでいただき、ありがとうございます。

ブログ内で書かれている内容は、長文になり過ぎず読んでいただけるよう、これでもエピソードやエビデンスを多く端折らせています。

気になるトピックで、詳しく知りたいことがあれば、お声かけ下さい。

「無限の可能性」 ポジティブな言葉でもなんでもなく、ただの現実。 プラスの可能性。マイナスの可能性。全てが起こり得るということ。 選択肢を減らすことは、可能性を減らすこと。

この記事を書いた人

【代表】船田拓哉