前回のブログの最後の思い出した”あること”というのは、「概観効果」というものです。
「概観効果」(Overview Effect)
宇宙へ飛び立った宇宙飛行士が、今まで知り得なかった地球を見て、自分という人間が根底から変わったと言うらしいのです。価値観など大きく変わると言います。その効果のことを概観効果と呼びます。
この効果は、前回の「親戚からの大きくなったね現象」の飛躍版なのでしょうか。中にいる人は気付かないけれど、俯瞰した時に気付く。
人間が根底から変わるなんて、気付きの度を超えていますww
きっと、それが宇宙というスケールなのでしょう。
しかし、以前から抱いていた概観効果に対する疑問があります。
僕は、何度も宇宙から見た、地球の写真を目にしています。今では、Google earthなどで、以前より鮮明に上から地球を見ることができています。もっと言うと、映画スターウォーズの世界では、いろいろな星に何度も飛んでいるところを見ました。それにも関わらず、感動は覚えるものの、価値観が変わる程の衝撃は受けていません。
何故でしょうか。
所詮、画面越し。実体験ではないからと考えます。
たしかに、航空写真を見ても大して何も感じませんが、飛行機の窓から都市を見た時は、何か思いにふけていたりします。
僕の大好きな場所。故郷、奈良の若草山からの景色(特に夜)をみた時も、普段は、あの小さい光の一部なのに、俯瞰すると大それたことを考えてみたり、自分が実にちっぽけに感じたりします。そういうことなのかもしれません。
今後、VR技術などが進んで、より実体験に近い体験ができるようになったら。
宇宙から見る地球を、仮想現実の中で手軽に体験できる日が来るかもしれません。その時、僕たちはどう感じるのでしょうか。概観効果を感じた宇宙飛行士たちは、環境を守ろうという意識や、平和的な考え方になると言います。いろいろ、妄想が膨らみます。
さあ、前回の中学生の質問に戻りましょう。
「自分でも気付かない違和感に気付くには?」
客観的に自分を見ることによって、気付きを得ることができる。
反復練習は、鏡を見ながらした方がいい。
反復練習はズレに繋がるので、動画などを撮って定期的に冷静に客観的にチェックする。
動画等で自分をチェックする時、アップで見ることが多いと思います。
もちろん大事なことですが、アップだけではなくて、遠目からの映像も見てみましょう。広い中の自分を見ることによって、何か気付けるかもしれません。
それでも、所詮は映像ですよね。
映像では大した概観効果を味わえないことは、わかりました。
なのでより実体験に近づけていきます。
先程も出た、VRで自分の動きを見ることは、現在の技術でも可能だと思います。例えば、VR内の自分がピッチャーで、打席に立って自分のボールを見るなど。今でも難しい話ではないと思います。今年中にハスキーでも導入してみましょう。(VRの使用による目の影響の観点から年齢制限があり現段階では実現できていません。)
とはいえ、極力、質問の答えに物は使いたくないですし、今すぐできることではないので、これがベストな質問の答えとは思えません。
- 客観的に自分を見る。
- ずっとではなく、定期的に見る。
- より実体験に近い。
問題は3です。自分のことだから難しいんですね。自分がいる空間を実体験というのは、自分のクローンがいないと物理的に不可能です。この質問が難しい理由が明白になりました。すっきりしましたw
自分の行動をどうやって、目の前にいるように感じるかですね。
整理しましょう。見られる側の自分と、見る側の自分が存在します。
- 見られる側の自分は、自分を客観的に見ることができません。
- 見る側は、客観的に見れるが、所詮は映像。
まずは、自分が見る側の考えから。自分を見る方法は鏡しかありません。しかし、ずっと見ているとズレに気付かないので、定期的に鏡を見る。例えば、反復練習を30回するとしたら、鏡に背を向けて反復練習。10回に1回は鏡を見てする。イメージ通りなら続行。違和感があれば修正。
問題は、見られる側ですね。先程のクローンの話から、より自分に近い人に見てもらうことが、現実的には1番、自分が見られて、見ることに近いと考えます。なので、見られる側の答えは定期的に親に見てもらうことだと考えました。
僕もスランプに陥った時に、何をやっても抜け出せずにいたことがありました。滅多に試合を観に来ない、野球に疎い母親でしたが、たまたま僕のスイングを見るタイミングがあり、その時に「なんか小さい」とだけ言いました。その言葉を受け止め、感覚的に大きめに振り始めると調子が上がり、スランプを抜け出すことができました。
「自分でも気付かない違和感に気付くには?」の答えは
- 定期的に鏡を見ること。
- 定期的に親に見てもらうこと。
注)自分で気付く方法なので、親が指摘をしてはいけません。ただ、見たままの感想を言うだけにして下さい。
この概観効果(真似た物)を使えば、前回の非合理的な硬直性と、それを加速させる過去基準に関しては、今後、柔軟に対応できるのではないかと考えています。
何かに思い悩んでいる子供が見ている世界は、実は小さい小さい、ほこりの塊かもしれません。例えば、広い甲子園球場内で、小さいほこりの塊を気にすることはありません。
世界は広くて近い。