前回からの続き、3つ目のテーマです。
前回のブログ内でも触れました。過去の成功体験から来る、信仰のような考えの硬直性。それを、正解だと信じて疑わない。
基準が過去なので、その人がどこを卒業したのか。過去にどんな成功をしたのか。そこが、人の良し悪しを判断する基準になっているという点もあります。必要なのは、目の前の課題を解決する力であって、過去ではない。変化が少ない時期は、過去の成功例の当てはめで上手くいくでしょう。しかし、転換期。目まぐるしく変化する中においては、過去の成功例に縋るのは危険だと考えています。
ただ、非合理的な硬直性と、それを加速させる過去基準に関しては、今後、柔軟に対応できるのではないかと考えています。
ハスキーではいつも、質問の時間を設けています。質問力を身に付けるのは非常に大事である。と、常日頃から言ってきています。僕も即座に質問に答えるように心掛けていますが、今まで記憶にある中で、答えを即座に出せなかった質問が2つあります。1つ目は、「学童野球のチームで試合中に僕がミスをしたら、すぐ変えられます。他の子はミスしても変えられません。なんで僕だけすぐ変えられるんですか?」という質問でした。心が痛くなったと同時に、すぐに質問に答えることはできませんでした。
2つ目は、先日、中学3年生のピッチャーの指導をしていました。年明け1発目ということもあり、ボールは荒れ気味で、右バッターのアウトコースに大きく外れるボールと、ノビはあっても大きく高く外れるボールと極端でした。感覚のズレや、縦軸、横軸の力の伝え方等いろいろ本人と話合い、試みました。そして、練習の最後に7.5kgのプレートを持ってのジャンプスクワットをしていた時のことです。見ていて、何か踏ん張れていない違和感を左膝に感じたので、本人に痛みの有無を確認しましたが、痛みも違和感もない。
しかし、明らかに動きに不自然さを感じました。
練習終わりの質問時間に、「自分でも気付かない違和感に気付くには、どうしたらいいですか?」という質問をもらいました。
きっと原因は、日々のトレーニングや反復練習で起こる少しずつのズレだと考えました。鏡を見ずに行う反復練習の注意点の1つです。反復練習は形を体に染み込ませるのに、必要不可欠な練習方法ではありますが、ずっと同じことを繰り返すので、ズレに気付かない。また、ズレたものが染み込んでしまうリスクも備えています。
質問内容は、自分でも気付かない違和感に気付くには。です。
確かに、それが大怪我への第一歩かもしれませんし、スランプの始まりかもしれません。マンツーマンで見てもらえる環境は、チームスポーツで決して多いとは言えません。自分で気付ける力は必要です。今後、他の生徒たちにもこの気付きができるようになることは大きくプラスになります。なので、しっかりと考えたいと思い、この質問に関しては、持ち帰らせてほしいと伝えました。
前回の日本の歴史からみる非合理的硬直性に似ている部分があると思います。破滅状態になるまで、中の人間は気付かない。少しずつの反復が、そうさせるのではないかと考えます。自分では気付かないが、久しぶりにあった親戚から「大きくなったね。」と言われた経験。それに近いものを感じます。
この質問について、考えていた時、”あること”を思い出しました。
この”あること”への以前からの疑問を見直すことが、問題解決の糸口になるかもしれません。