前回の続きになります。
野球の魅力と活かし方1を読んでから、2を読むことをオススメします。
今回は予測、想像、準備の想像からです。
想像
いい結果を出す最善を想像する。
そもそも「予測」と「想像」は何が違うの?
「次の投球は外角低めのストレートと予測する。」
「自分がホームランを打つ姿を想像する。」
この2つの「予測」と「想像」が入れ替わるとおかしいですよね。
そこが「予測」と「想像」の違いと考えています。
予測能力を高めて、予測を元に自分の最善のシナリオを想像する。
練習でできないことは試合ではできないと言われていますが、大きな舞台がとんでもないプレイをさせてくれることがあります。
想像できないことは実現できない。
自分がホームランを打つ想像が見えてない選手にホームランは打てないでしょう。
⚠「妄想」と「想像」も違うので気をつけましょう。
妄想なら誰でもホームラン王です。
想像してから予測するのではないか。と考える人もいると思います。
予測をしてから、想像することに意味があります。
例えば、じゃんけんのグー,チョキ,パーの中から相手の出す手を予測します。
予測した手はグーでした。あなたが出す手は何が最善ですか?
最善を想像するの意味が理解できたと思います。
じゃんけんの場合はシンプルなので、最善を簡単に想像することができます。
もっと複雑になると最善を想像するのに迷いも出てきます。
成功の可能性よりも、失敗しない可能性を想像してください。
またまた、じゃんけんで例えます。
相手の手をグーorチョキと予測します。
グーの確率70%、チョキの確率30%と予測したとします。
この場合、70%の確率でグーなので、「パーで勝負だ!」となる気持ちを抑えて、パーを出したら30%の確率で負けることをしっかり想像してください。
相手の手がグーorチョキなら、グーを出せば負けることはありません。
では、確率が90%と10%でも勝負を仕掛けてはいけないのでしょうか。
何%から勝負を仕掛けていいのでしょうか。
試合展開や状況。流れ。自分の状態。と相談して決める必要があります。
そして、野球において90%の確率を予測できる場面はそうそう存在しません。
指導者の場合は、確率を予測→最善を想像→指示。という形になります。
選手のミスの可能性も含めて「予測」「想像」できないと、確率が大きく変わってくるので注意してください。この選手のミスまでを「予測」「想像」ができていないので、ミスに対して怒る指導者が存在するのだと思います。あなたの「予測」「想像」不足です。選手のせいにするのは今すぐやめてください。
準備
予想と想像を元に事前準備をして、想定内を増やす。
間はあるけど、プレイは一瞬です。
想定外なことが起きると、上手く行かないのが野球です。
想定内を作ることが大事です。
予想能力を高めて、想像力も培った次にあるのが準備です。
1番めんどくさい作業になります。
選手にとって日々の食事、トレーニング、睡眠、すべてのことが準備になりますが、
今回はプレイの中での準備に絞ります。
前に3歩ジャンプ、後ろに1歩ジャンプを連続してください。
1,2歩目のジャンプと3歩目のジャンプは一緒ではありません。
3歩目のジャンプは次に後ろに飛ぶとわかっているので、体重が後ろに残っています。
逆に残っていないとスムーズに後ろにジャンプできません。
このように、次の動きによってジャンプ1つでも変わってきます。
無意識ですが、すべての動きは連続する動作です。
1つ1つの動作を次の動きの準備をしながら、行います。
歩く時も右足を出している最中に左足は次に出す準備をしています。
曲がる時の1歩は斜めに入ります。まっすぐから次の1歩を直角に出したりしません。
無意識に準備をしています。
これが複雑な動きになったらどうでしょう。
準備できずに、スムーズさを欠いていませんか?
もっと今の動きを速めることはできませんか?
準備してくだい。ボールを捕る時に投げる準備ができていれば、捕ってから速く投げることができます。
またじゃんけんをしましょう。
グー、チョキ、パーの3種類を出すのに訓練がいるとします。
あなたはまだ訓練中でグーしか出せません。
1発勝負なら、グーのみで勝てるかもしれません。
しかし、何勝負もしていたらグーしかないとバレて永遠にパーを出されて負け続けるでしょう。
これが野球の1発勝負なら弱者が強者を倒せる理由です。
野球の魅力の大きな部分です。
出せる手は多い方がいいです。
もしも、じゃんけんの手が3種類じゃなかったら。
仮にグー、チョキ、パー、ピー、プー、ヌー、ニョキ、ドゥー、コス、ジャス。
の10種類、手があったとします。
本題の予測、想像、準備です。
3種類の時は手を出すのも簡単でした。
その中でもチョキは複雑な形なので咄嗟の場合、出す確率が低いらしいです。
これが10種類になったら、きっと手ももっと複雑でしょう。
急にニョキとかドゥーなんて出せそうにないです。準備が大事です。
この時、予測→想像→準備と段階を踏むにつれて
出す手の候補は絞られていきます。
ここ大事なとこなので着いてきてください。
- 予測の段階では、相手の手を予測しているだけなので、自分が出せる手、どれもが候補にあります。
- 想像の段階では、最善を想像するので負ける可能性のあるものを省きます。
- 準備の段階では、自分が想像した最善の中から1〜3つ選んで、いつでも出せる準備をします。
4つ以上の選択肢をもって挑むことをオススメしません。3つでも大変です。
ほとんどの場合が2つと思ってください。1つに絞るときは、よっぽど確率が高い時です。
絞った2つをどんな状態でも出せるように、準備をしておきます。
考える間はあっても、勝負は一瞬です。
しっかり準備をしておきましょう。
指導者の方は、考える力を選手に付けてもらえるように説明しながら準備まで手伝ってあげましょう。
自分で予測から準備までできる選手になるのがベストです。
それまでは、いい結果を出してもらうために、準備までしてあげてください。
打て。じゃなて、選手の出せる手から選んで絞ってあげてください。
選手が活躍する確率を上げてあげてください。
想定外をも楽しむ
「予測」「想像」「準備」
いかがでしたか?
野球は想像のスポーツです。
想像通りにならないから、楽しい。
もしも、すべてが想像通りに行ったらすぐに飽きてしまいます。
日常生活でも自分の想像した結果にならないと怒る人間がいます。
店員の態度が悪い確率だってあります。友達に悪口を言われる確率も。
想定外を減らせばイラつく回数も減るかもしれません。そして、どんな想定外をも楽しめれば素敵だと思います。
想像通りの展開の映画はおもしろくないですから。
野球のファンはいい結果を望み想像します。
それが、ファンというものです。
⚠指導者はファンではありません。
自分の想像通りにいかないからと言って選手に不満を言うのはファンのすることです。
指導者と名乗る以上、ファンのような考えは捨ててください。
終わりに
想像するということは、僕たちホモサピエンスにのみ備わった特殊能力です。
人類の仲間、ネアンデルタール人にも想像する能力は備わっていません。
紙切れに1000円の価値があるとみんなが想像できるから、それは1000円なのです。
みんなが目に見える紙切れ以上の何も想像できなければ、それは紙切れです。
想像はすごいです。
僕たちにしかない特殊能力を惜しみなく使っていきたいですね。
人間が想像できることは、人間が必ず実現できる。
ジェルー・ヴェルヌ